久しぶりの高揚感
年を重ねるにつれ、というよりはバイクに乗り続けるにつれ、バイクに対する距離感というのはかなり変わってきたことは否定できない。
免許取って初めて自分のバイクを手に入れたときは、乗れる暇さえあれば、いつも乗っていた。
雨の日だって、雪の日だって乗っていた。
乗らない時は、次はいつ走れるだろうかとか考えていた。
バイクバカそのものだった。
それからしばらくして大学の自動二輪部というバイクの集まりに入った。
そこで初めてバイク乗りに出会った。
話題はやっぱりバイクの事ばかり。
人を評価する物差しにもなっていた。
全てがバイク一色だった。
やがて社会人になり、また一人で走ることが多くなった。
学生の時よりは自由になるお金もできて、初めて新車を買った。
長期休暇をもらって、北海道にも行った。
取引先の紹介で、今の奥さんに出会った。
初デートはもちろんバイク。
朝の6時に待ち合わせ。
よく結婚してくれたと思う。
それからは職を転々とし、バイクに気持ちが向く余裕がなかった。
でも手元にバイクがない状況は自分ではない気がして、ポンコツの中古を買った。
バイクをアイデンティティと自負していた自分がいたから。
だからと言って、乗って楽しいって思える瞬間はどんどん減っていった。
走ると言っても決まった道を進むだけ。
若かった時みたいに飛ばしたりはしない。
普通にギアを入れ、スロットルを回し、法定速度付近で流す。
昔、事故も経験した身だから、それでも飛ばしていたら僕はクズだと思う。
飛ばすことの快感と公道での安全を天秤にかけること自体、ナンセンスだ。
人の命まで危険にさらす権利はない。
昔と同じようなことをしていても、昔のようには楽しめない。
だからと言って、バイクを降りて違う楽しみを見つけるというのもなんか違う。
もちろんバイク以外に素晴らしい事はゴマンとある。
お散歩も楽しいし、ドライブだってワクワクする。
ただ、楽しかったバイクを通じての過去を無かったことにするようで、僕は降りたくはない。
だから新しいことに挑戦することにした。
↑なんかウザい?
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